沖縄公庫、株式会社トマス技術研究所に資本性ローンを実行 ~小型焼却炉事業の本格的な海外・県外展開に対し、官民連携した協調支援を実施~

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沖縄公庫、株式会社トマス技術研究所に資本性ローンを実行 ~小型焼却炉事業の本格的な海外・県外展開に対し、官民連携した協調支援を実施~

平成29年3月30日
沖縄振興開発金融公庫

 沖縄振興開発金融公庫(理事長:川上 好久)は、株式会社トマス技術研究所(沖縄県うるま市、代表者:福富 健仁、平成20年1月設立、資本金3百万円)に対し、挑戦支援資本強化特例制度(以下、資本性ローン)を適用し5千万円の融資を実行しました。

【当社事業の概要】
 株式会社トマス技術研究所(以下、トマス社)は、うるま市の国際物流拠点産業集積地域において、小型・中型焼却炉の製造販売を手掛けるベンチャー企業です。
 トマス社および福富社長による焼却炉関連の特許出願数は17件(うち認定数は14件)あり、①煙を出さない超低ダイオキシン類、②完全自動運転、連続投入可能、③シンプルな構造で故障しにくい、等の特許技術が高評価され、これまでに、環境大臣賞や中小企業庁長官賞、沖縄県知事賞などを受賞する等、焼却炉開発分野における高度な技術力を確立しています。
 主力となっている小型焼却炉「チリメーサー」は、独自の自動燃焼制御システムで黒煙を出さず、ダイオキシンの排出を低減し、1時間あたり45kgの産業廃棄物や一般ごみ等の処理が可能です。
 運転コストも低く抑えられ、漂着ゴミや農業資材の処分を目的に導入する自治体が多く、県内41市町村のうち13市町村(15台)の納品実績を有しているほか、今後は、長崎県や鹿児島県の島嶼地域のほか、東京営業所を拠点に関東から東北地域の中山間地域への営業強化を図る計画にあります。
 民間企業については、県内リゾートホテル、建設業者、飲料水製造業者等の他、県外の病院施設等に対しても納品実績を有しています(計49台)。

【海外における小型焼却炉の本格展開】
 トマス社の「チリメーサー」は、小型で設置場所を広く選択できるため、沖縄同様に島嶼地域であるインドネシアでの普及・実証を独立行政法人国際協力機構(JICA)に対して提案。JICAは、国内中小企業の製品・技術を途上国の課題解決に寄与するODAを活用した「中小企業海外展開支援 普及・実証事業」に小型焼却炉「チリメーサー」を採択し、平成28年8月にトマス社と業務委託契約を締結しています。
 この契約に基づき、トマス社はインドネシア・バリ島での医療廃棄物問題を解決するために、デンパサール市の病院をはじめ10ヶ所の病院で「チリメーサー」を導入するための実証活動に入っています。

【今次融資による効果】
 今回の融資は、小型焼却炉を本格的に海外・県外へ展開すべく、材料仕入資金等の増加運転資金に充当することを目的としており、当公庫は、当社の技術力及び事業可能性を評価して融資を実行しています。
 トマス社は、JICA事業を展開するために必要となる短期の運転資金をメイン行である株式会社沖縄銀行から調達しておりますが、本件資本性ローンと併せた協調支援により当社の財務基盤を強固なものとし、資金繰りの円滑化が図られ、技術力を有するトマス社の海外・県外展開の本格化に資することが期待されます。

【資本性ローンの特徴】 
 資本性ローンは、創業・新事業展開や事業再生等に取り組む中小企業・小規模事業者の財務体質の強化を図るために、資本性資金を供給する制度です。貸付条件については、期限一括償還による返済となり、また担保・保証人については無担保無保証となります。加えて、本制度を適用した債務は、金融検査上、自己資本とみなすことが出来るため、過少資本が解消され、信用力の向上が可能となります。本制度の詳細については、当公庫ホームページ(http://www.okinawakouko.go.jp/)でもご覧いただけます。
 当公庫は、国の施策に基づく政策金融機関として、今後とも本融資制度等を活用し、民間金融機関、外部機関とも連携を図りつつ、地域経済の活性化や地域振興に資する事業を積極的にサポートしてまいります。
 
 
 
〔参考1〕  
<小型焼却炉「チリメーサー」TG-49/TG-29>
   


<インドネシア・バリ島での実証活動>
         
    
(チリメーサー、TGII-29〔インドネシア仕様〕:平成28年12月撮影)
 
〔参考2〕  

<中小企業・小規模事業者向け資本性ローン(挑戦支援資本強化特例制度)の概要>
融資対象者 創業・新事業展開・事業再生等に取り組む中小企業・小規模事業者であって、地域経済の活性化のために、一定の雇用効果(新たな雇用又は雇用の維持)が認められる事業、地域社会にとって不可欠な事業、技術力の高い事業などに取り組む方
融資限度額 〔生業資金〕   1社あたり4,000万円
〔中小企業資金〕 1社あたり3億円
融資期間 〔生業資金〕   5年1カ月以上15年以内 <期限一括償還>
〔中小企業資金〕 5年1カ月・7年・10年・15年 <期限一括償還>
担保・保証人  無担保、無保証人
本制度の
ポイント
・本制度に基づく借入金は、金融検査上、債務者区分判定において自己資本とみなされます。
・元金は、期限一括償還の安定資金です。
・利率は、直近決算の業績に応じて、貸付期間に対応した3区分の利率(中小企業資金0.40%
 ~5.95%、生業資金0.90%~6.50%)を設定し、毎年見直しを行います。
・法的倒産手続時には、全ての債務(償還順位が同等以下のものを除く)に劣後します。
・四半期毎の経営状況のご報告を含む特約の締結や、公庫が適切と認める事業計画書を提出し
 ていただきます。
・期限前弁済は、原則として認められません。
実  績 累計38件、24億4,400万円  (平成29年3月末現在)
                             〔問合せ先〕
中部支店業務第一課 (担当:中江) ℡ 098(937)3363
企画調査部業務企画課(担当:亀谷) ℡ 098(941)2045


▷記者発表の様子
 

最終更新日:2017年03月30日