ニュースリリース

　沖縄振興開発金融公庫（理事長：譜久山 當則）は、株式会社ファイトロックス（沖縄県うるま市）、代表者：星野　厚、平成27年3月設立、資本金53百万円）に対し、挑戦支援資本強化特例制度（以下、資本性ローン）３億円の融資を実行しました。

【当社事業の概要】
　株式会社ファイトロックスは、うるま市州崎の国際物流拠点産業集積地域において、抗肥満化等の機能性効果が認められる希少物質の「フコキサンチン」を製造する食料品製造業者です。
　代表者の星野氏は、経済産業省主管の「未踏ソフトウェア採択事業」に２年連続で採択された他、これまでに複数のベンチャー企業を立ち上げた経験を有しています。また、技術責任者の伊藤氏は、日本海洋開発機構主催のブルーアース２０１３において若手奨励賞を受賞している研究者であり、当社の研究ラボには、品質管理に必要な研究員と機器も備えられており、外部機関に依存することなく、研究開発と品質管理の自社対応を可能とすることを強みとしています。

【先端技術によるフコキサンチンの工業量産化に成功】
　フコキサンチンは、１日あたり１～３ｍｇ程度の摂取で抗肥満作用、抗糖尿病作用、抗酸化作用等の有用な効果を発揮することが国内外の論文等により明らかにされ注目を集めています。
　しかしながら、従来の生産方法では昆布やワカメといった褐藻類の原料１００ｋｇに対して１～３ｇ程度しか生産できなかったことから、１ｇあたり３万円前後と高価かつ供給量が不安定でした。また、精製技術の問題から市場に流通している原料は純度が１～５％と低純度でした。
　当社は独自の製法により、褐藻類に比べて約１５０倍の含有量を持つ微細藻類の低コスト・大量培養に成功し、また標準品でも４０%以上の高純度のフコキサンチンの大量生産と安定供給の技術確立を成し得ています。

【今次融資による効果】
　今回の融資は、微細藻類の培養とフコキサンチン抽出に使用する大型プラント設備の導入資金等に充当することを目的としています。
　当公庫は、フコキサンチンの持つ機能性と、当社の技術力及び事業可能性を評価して融資を実行しています。また、本件融資により、創業期の当社財務基盤を強固なものとし、資金繰りの円滑化が図られるものと期待しております。

【資本性ローンの特徴】　
　資本性ローンは、創業・新事業展開や事業再生等に取り組む中小企業・小規模事業者の財務体質の強化を図るために、資本性資金を供給する制度です。貸付条件については、期限一括償還による返済となり、また担保・保証人については無担保無保証となります。加えて、本制度を適用した債務は、金融検査上、自己資本とみなすことが出来るため、過少資本が解消され、信用力の向上が可能となります。
　当公庫は、国の施策に基づく政策金融機関として、今後とも本融資制度等を活用し、外部機関とも連携を図りつつ、地域経済の活性化や地域振興に資する事業を積極的にサポートしていきます。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〔参考〕
＜中小企業・小規模事業者向け資本性ローン（挑戦支援資本強化特例制度）の概要＞

融資対象者	創業・新事業展開・事業再生等に取り組む中小企業・小規模事業者であって、地域経済の活性化のために、一定の雇用効果（新たな雇用又は雇用の維持）が認められる事業、地域社会にとって不可欠な事業、技術力の高い事業などに取り組む方
融資限度額	〔生  業  資  金〕　1社あたり4,000万円 〔中小企業資金〕　1社あたり3億円
融 資 期 間	〔生  業  資  金〕　5年1カ月以上15年以内　＜期限一括償還＞ 〔中小企業資金〕　5年1カ月・7年・10年・15年　＜期限一括償還＞
担保・保証人	無担保、無保証人
本 制 度 の ポ イ ン ト	・本制度に基づく借入金は、金融検査上、債務者区分判定において自己資本とみなされます。 ・元金は、期限一括償還の安定資金です。 ・利率は、直近決算の業績に応じて、貸付期間に対応した3区分の利率（中小企業資金0.40％～6.35％、生業資金0.90％～6.95％）を設定し、毎年見直しを行います。 ・法的倒産手続時には、全ての債務（償還順位が同等以下のものを除く）に劣後します。 ・四半期毎の経営状況のご報告を含む特約の締結や、公庫が適切と認める事業計画書を提出していただきます。 ・期限前弁済は、原則として認められません。
実　　　績	累計36件、23億7,400万円　　（平成28年3月末現在）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〔問合せ先〕
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　中部支店　 業務第一課（担当：中江）　℡ 098（937）3363
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　企画調査部 業務企画課（担当：宮城）　℡ 098（941）1740

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(記者発表の様子)


・地元紙掲載記事