沖縄公庫、沖縄プロテイントモグラフィー(株)へ8,000万円の出資を実行 ~OIST発第1号ベンチャー企業の事業展開を支援~

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沖縄公庫、沖縄プロテイントモグラフィー(株)へ8,000万円の出資を実行 ~OIST発第1号ベンチャー企業の事業展開を支援~

 沖縄振興開発金融公庫(理事長:譜久山 當則)は、9月25日に沖縄プロテイントモグラフィー(株)(本社所在地:うるま市、代表取締役:亀井 朗、以下「当社」)に対し8,000万円の出資を実行しました。

【当社の概要】
 当社は、平成26年6月、沖縄科学技術大学院大学(OIST、恩納村、学長:ジョナサン・ドーファン博士)にて構造細胞生物学を研究するウルフ・スコグランド教授が開発した、「タンパク質等の分子構造3次元可視化技術(プロテイントモグラフィー法)」の事業化を目的に設立されました。OISTからの技術移転を受けた初のベンチャー企業となります。OISTの研究室を事業拠点に、タンパク質の構造解析サービスを展開しています。
 なお、(公財)沖縄県産業振興公社を事業主体とする「おきなわ新産業創出投資事業有限責任組合(通称:おきなわ新産業創出ファンド)」からも出資と取締役派遣を含む支援を受けています。
  
【解析サービスの特徴】
 ヒトの体内では、約10万種ともいわれるタンパク質が存在し、健康を維持する上で重要な役割を担っています。またタンパク質は、医薬品と強く結合することによって、そのはたらきを制御されることから、創薬においてその構造を明らかにすることが不可欠です。
 タンパク質の構造解析を行うには、人工的に結晶化させたタンパク質へX線を照射する方法が主流ですが、結晶化そのものが難しいこと、また生体内環境とは異なった解析結果となる可能性があること、さらにケースによっては半年から1年の長期での解析期間を要する等の課題がありました。
 これに対し当社独自の解析技術である「プロテイントモグラフィー法」は、結晶化を不要とし、生体内環境に近い状態での解析を可能としたことがその特長となります。また解析期間についても約3ヶ月と大幅に短縮され、医薬品開発の効率性の向上が図られることから既に国内の製薬会社等からの受注があります。今後はこれまで構造解析が不可能であった種類のタンパク質についても、「プロテイントモグラフィー法」により、その構造が明らかになることも期待されています。
 関連する特許についてはOISTが保有し、当社は特許の独占的利用についてOISTと長期契約を締結しています。また解析に必要な高性能電子顕微鏡等の利用についてもOISTより認められており、沖縄県内において高度な解析業務を実施できるビジネススキームとなっています。

【本事業における出資の意義】 
 今回の増資は、海外製薬会社等への営業展開を図るため、営業・研究体制の強化を目的とした事業運営費に充てるものです。当社の「プロテイントモグラフィー法」のグローバルな営業展開により、今後は国内だけではなく、世界レベルにおける医薬品開発への貢献が期待されます。
 政府の成長戦略(「『日本再興戦略』改訂2015」:平成27年6月30日閣議決定)において、ベンチャー企業に対する支援は重点項目とされています。またOISTを中核とし、国内外の研究機関・企業等を取り込んだ「知的・産業クラスターの形成」を目指す沖縄県の「沖縄21世紀ビジョン基本計画」(平成24年5月15日付決定)の政策趣旨に沿った点も踏まえ、当公庫としては、沖縄の自立型経済の発展に資することから、出資を実行したものです。
 当公庫は国や県の沖縄振興策と一体となった政策金融の取り組みを今後も推進して参ります。

<出資先の概要>


<新事業創出促進出資制度の概要>


沖縄公庫、沖縄プロテイントモグラフィー(株)へ8,000万円の出資を実行 ~OIST発第1号ベンチャー企業の事業展開を支援~

           
             
                                (記者発表の様子)

 ※地元紙掲載記事

最終更新日:2015年09月25日