お知らせ

沖縄公庫、(株)竹富町物産観光振興公社に対して さとうきび集中脱葉施設建設資金の融資を実行 ～官民連携による離島地域の基幹作物の振興拡大に向けた取組みを支援～

　沖縄振興開発金融公庫八重山支店（支店長：山城興司、以下「沖縄公庫」）は、平成29年9月29日、株式会社竹富町物産観光振興公社（本店所在地：石垣市美崎町、代表取締役社長：上勢頭　保、以下「当社」）に対し、さとうきび集中脱葉施設の建設資金の融資を実行しました。

【当社事業の概要】　
　当社は、竹富町等の特産品販売等を目的に平成27年12月に設立された小売事業者です。当社事業は、竹富町商工会（以下、商工会）が地域の商工業者とともに取り組んだ地場産品の企画・開発・販売事業を引き継いでおり、法人化に際しては、商工会や竹富町などの関係団体のほか、地域の商工業者も株主として参画しています。
　現在は、南ぬ島石垣空港ターミナル内の直営店（店舗名：島土産）やインターネット通販を行うオンラインショップにて竹富町及び与那国町の特産品や雑貨等の販売を行っているほか、補助事業を活用した新たな商品開発や販路拡大の支援（竹富町地域資源活用・ブランド創出プロジェクト(islands９+)）にも取り組むなど、地域の特産品振興に貢献しています。

【今次計画の効果】　
　今回の計画は、竹富町南風見在の竹富町西表製糖工場敷地内において、さとうきび集中脱葉施設（＊）を建設するものです。当該施設の稼動により、①農家の収穫作業の省力化と人件費負担の軽減、②さとうきび搬入量の安定確保による製糖工場の稼動効率化と製糖期間短縮による糖度維持、③葉柄等の不純物除去による品質向上が見込まれ、域内のさとうきび及び黒糖生産拡大への寄与が期待されます。
　竹富町（以下、町）においては、さとうきび農家の収穫時の脱葉作業の省力化による生産性向上と葉殻等の不純物除去による黒糖製品の品質向上等を企図した施策として、過年度より、脱葉施設整備の検討を進めており、当社は、黒糖関連商品の生産拡大及び品質向上による収益拡大と、基幹作物であるさとうきびの生産拡大による産業振興への寄与を目的に取り組んでいます。
　今回の施設整備では、町の施設整備及び維持管理にかかる経費負担の軽減を図るため、当社が当該施設を整備して町へ一括賃貸する事業スキームとなっており、本事業スキームについては、農業分野の振興にかかる施策を民間事業者（当社）が主体となって取り組むことで、行政と民間との協働で最も効率的な公共分野のサービス提供を行う、いわゆる「ＰＰＰ（Public Private Partnership）」の取組みとしても注目されます。
　沖縄公庫は、当社の収益基盤強化の取組みと離島地域の産業振興への貢献等の政策意義を評価して、融資を実行しました。また、今後とも顧客の多様なニーズに対応した融資制度やコンサルティング機能を発揮し、地域と連携して八重山地域の産業振興に引き続き貢献してまいります。

（＊） 製糖工場への原料搬入前に脱葉及び不純物除去を行う施設。さとうきび収穫作業の機械化（ハーベスター導入等）
　　　 により、手刈り作業の負担軽減が図られる一方で葉殻残留や土砂等の混入も発生するため、これらの不純物除去
　　　 を行うものです。当社施設は、ハーベスターのカット原料と手刈り等の全茎原料の処理ラインを併設し、西表製
　　　 糖工場の通常圧搾処理量と同等の処理能力（100トン/日）を有しています。
　　
【当社、町及び沖縄公庫の連携】
　今回の融資にあたり、当社、町及び沖縄公庫では、事業スキームやシミュレーション等の事業計画の検討段階から連携して取り組んでいます。沖縄公庫では、より効率的な施設整備手法や資金調達方法について情報提供を行ったほか、施設整備後は、安定的かつ効率的な施設の維持管理方法等についての情報交換も行うこととしています。
　また、商工会と沖縄公庫は、事業者の計画策定支援のほか、町内の小規模事業者に対し無担保・無保証・低金利で融資を行う「マル経融資」や出張相談会の開催で連携を図っています。そのほか、町と沖縄公庫では、平成23年10月に締結した地域振興プロジェクトに係る助言業務協定に基づき、地域活性化に向けた情報交換を継続的に行っております。
　沖縄公庫は、引き続き、多様で魅力ある離島地域の産業の振興や経済活性化に資する事業展開、官民連携（ＰＰＰ等）の取組み等を支援し、地域経済の持続的な振興拡大を目指して、行政や商工会をはじめとした関係機関との連携を一層強化してまいります。