沖縄公庫、㈱ブルーブックスに対し、8千万円の出資を実行 ~LHRシステム(健康・医療情報共有システム)を活用したヘルスケア事業の運営を支援~
平成29年3月29日
沖縄振興開発金融公庫
沖縄振興開発金融公庫(理事長:川上好久)は、3月29日に「新事業創出促進出資」により、㈱ブルーブックス(本社所在地:那覇市、代表取締役:志茂英之、以下「当社」)に対して、8千万円の出資を実行しました。
【当社の概要】
当社は、開発したASPサービス「健康マイページ(医療機関と保険・被保険者が情報を共有できるシステム)」の販売と、医療、福祉・介護、健康のコンサルタント事業を目的に東京都でH14年3月に設立されました。
H23年に、那覇市医師会が、医師会傘下の医療機関の約6割の血液検査を行っており、且つH12年以降のデジタル化された約30万人分のデータを保有していることを知り、H23年10月に事業所を東京都から沖縄県那覇市に移転。那覇市医師会と連携し、蓄積データと健康マイページ機能を共有させたLHRシステムを開発し、H24年10月より運用及び事業化に向けた取り組みを開始しています。
(LHRシステムのデータ格納状況)

【新事業の概要】
LHRとは「Lifelong Health Record」の略で、個人が生涯に記録する様々な健康・医療情報を集積したデータベースのことで、LHRシステムは、これらの情報を、医療機関や個人等がインターネットで有効活用できるようにした、沖縄発の医療情報共有システムです。
LHRシステムは現在、那覇市医師会、久米島町及び宮古島市で運用されており、約36万人分(分類済み)のデータを格納、そのデータ規模は全国的にみても随一の規模となっています。また、今年度より西普天間住宅地区の跡地利用に係る国際医療拠点構想に向けた先導研究事業において活用されており、琉球大学のゲノム研究事業と一体となった取り組みが開始されています。
本システムを利用することにより、健診受診率向上や効果的な保険指導の実施、過去の受診歴の閲覧による検査省力化、医療費削減等が図られます。また、研究機関・製薬会社等における創薬のための治験事業に活用することや、行政機関が行う公衆衛生調査等への利活用等も視野に運用されており、今後さらに県内での普及及び全国への水平展開が進むことにより、医療・介護・健康領域における情報基盤インフラとなることが期待されます。
【本事業における出資の意義】
今回の増資資金は、LHR事業を中心とするヘルスケア事業全般の設備投資資金及び運転資金に充当するためのものです。公庫は本事業が、①沖縄発の先進的な医療情報共有システムを活用したものであること、②LHRシステムを全国に水平展開することにより、医療・介護・健康領域における日本の情報基盤インフラとなり得ること、③産官学での連携を強力に推進することにより、より高度なサービスを提供し得ること、④この沖縄発の取り組みが、結果として「沖縄の長寿復活」にも資すること、等を評価しました。本件出資により、当社の資金繰りの円滑化が図られるとともに財務基盤も強化されます。
<出資先の概要>
(1) 企業名 |
株式会社ブルーブックス |
(2) 所在地 |
那覇市久茂地二丁目2番2号 |
(3) 業種 |
情報提供サービス業 |
(4) 設立 |
平成14年3月 |
(5) 資本 |
増資前 |
資本金 4,500万円
資本準備金 9,030 万円 |
増資後 |
資本金 8,500万円
資本準備金 1億3,030万円
計 2億1,530万円(うち当公庫8,000万円) |
(6) 代表者 |
代表取締役 志茂 英之 |
(7) 従業員数 |
15名 |
<新事業創出促進出資制度の概要>
(1) 出資対象者 |
沖縄において
・新たに事業を開始しようとする方
・事業を開始した日以後5年を経過していない方
・新たな事業分野の開拓を行う方 |
(2) 出資限度額 |
新事業に必要な資本の額の50%以内 |
(3) 出資実績 |
平成14年度より開始された新事業創出促進出資の実績(累計)
60件、23億2,809万円(平成29年3月29日現在)
平成28年度実績
・㈱ナノシステムソリューションズ :1億8千円
・㈱ジーオー・ファーム :1億9,000万円
・㈱ブルーブックス :8,000万円 |
〈問い合わせ先〉
新事業育成出資室 上 原 ℡ 098(941)1908
企画調査部業務企画課 宮 城 ℡ 098(941)1740
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地元紙掲載記事(1.07MB)